SHONAN TRAINING DEPT. MAGAZINE

W-upセットは自分と向き合う時間!

自分である程度トレーニングができるようになる為に習得する必要があるのが、

①正しいフォーム
②適切な重量設定の仕方

基本的にこの2つです。

ただ、この2つ以外に意外と皆さん苦労しているのがW-upセットの組み方です。

W-upセットとはその名の通り、メインで実施する前のW-upとして実施するセットのことを言います。

例えばベンチプレスを60kgで8回3セットする予定だとした場合、ジムに来ていきなり60kgに設定してベンチプレス始めませんよね??

ジムにくる→着替える→ストレッチや軽い有酸素運動などで軽く身体を温める(W-up)

この後の話です。
いよいよベンチプレスを始めますが、

いきなり、60kgに重さを設定せずに...
バーのみで数回
次に30kgで数回
次に40kgで数回
最後に50kgで数回
というふうに段階を踏んでからメインの重量である60kgに入るというのが普通です。

ん??普通???

これはトレーニングを長年やっている人からしたら確かに普通、当たり前のことです。

しかし、やはりトレーニング初心者の方にとっては普通ではありませんし、よくわからない事ですよね。

なので、今回しっかり覚えておきましょう!
メインセットの前にはしっかりW-upセットをする事!

W-upセットは何のためにやるのでしょう?

それはずばり徐々に身体を慣らしていく為!

例えば、
100m走
10kmマラソン
フルマラソン
サッカーの試合
バスケの試合
なんでも...
急に始めませんよね?

軽く流して走ることから始めて徐々にスピードを上げて走るはずです。
ボールを軽く蹴るようなところから徐々にゲームに近いような状況に近づけていきますよね。

トレーニングでも同じです。
メインセット(本番)が60kgで8回3セットやる予定なのであれば、上記したように少しずつ重さに慣れていく必要があります。

なぜか?

その方が力が出るからです。

なんでもそうですが、W-upで適切に段階を踏まないと頭も身体も力を出す準備ができていないので、

速く走れません
強い力を出せません。
複雑なタスクをこなせません。

また、事前に同じ運動を低負荷でやっておくことで筋損傷を抑制する意味合いもあります。(繰り返し効果)

・メインセット(本番)でベストのパフォーマンスを出す
・筋損傷などの傷害を予防する


この2つがW-upセットをやる主な理由です。

さて、ここまでは対して難しい話ではありません。
W-upセットが必要な事はトレーニング初心者でも本能的にわかるはずです。

難しいのはここから。
どのようにW-upセットを組めばいいのか?
ですよね。

難しい。と言いましたが、ここに難しさを感じる人と感じない人は別れる気がしています。

(※ここからは、私がこれまでトレーニング初心者にトレーニングを教えてきている中で感じた主観をもとに書いていきます。)

・W-upセットの組み方を難しいと感じる人のタイプ
→トレーニングを全て「型」で捉えている人

確かにトレーニングは〇〇kgを△△回◇セットというふうに、言わば「型」のような感じで決まったことを実施します。

回数も重さもセット数も種目も事前に何も決めずに思うがままに自由にやる事は基本的にありません。

なので、トレーニングを「型」で捉えること自体は間違っていません。

しかし、W-upは「型」で当てはめない方がいい場合が多いからです。

なぜか?

W-upセットは、その日の自分の調子をはかるものでもあるからです。

もちろん、W-upセットでもある程度の型、目安みたいなものはあります。

例えば、
・低強度、高回数から始めて徐々に高強度、低回数にしていく
・メインセット(本番)の相対強度が低い場合(60~80%1RM)はW-upセットはそこまでやり込む必要はないが、相対強度が高い場合(80%1RM以 
 上)はW-upセットを多くする
など。

このような最低限の型を意識する必要はありますが、あとは

絶対にこうしなければならない

というものはありません。

ここが難しく感じるタイプの人を悩ます原因なのかなと考えています。

トレーニングを全て型で捉えている人にとっては、全て決まっていた方がわかりやすいのです。

例えば60kgで8回3セットやる場合のW-upセットであれば
20kgで8回
30kgで5回
40kgで3回
50kgで2回
やってください!
みたいな感じで。

しかし、別に
20kgで6回
40kgで3回
60kgで1回

でもいいわけです。

なんでもいいんです。

メインセット(本番)で一番力を出せる状況を作れれば。

いやいや、その状況を作り出すための組み方がわからないんですよ!と言いたい方も多いかもしれません。

しかし、それは私にもわかりません!

先ほども書きましたが、W-upセットは

その日の自分の調子をはかるもの。

その日の自分の調子は自分が一番わかるはず。わかるべきです。

例えば、同じように20kgで8回やった場合でも、

何となく動きがぎこちなく重く感じる日もあれば、とても軽く調子がいい!と感じる日もあるはずです。

そのような調子が今ひとつな日といい日ではW-upセットの組み方を変えた方がいい場合があります。

何となく動きが良くないのであれば、いつもよりセット数を増やして入念に実施する。
それでも調子が上がってこないようであれば、メインセット(本番)の重量を減らす。

などの対応が必要です。

W-upセットの際に重要になるのは、決まり切った回数とセット数をこなすことではなく、その日の自分の調子を確認しながら臨機応変に進めていくことです。

なので、その都度W-upセットの組み方は変わるばずですし、変えていいのです。

今日の調子はこんな感じだから、W-upはこんな感じでやってみよう。
この重さで8回やろうと思ったけど、意外と重たかったから5回に減らした。

全然OKです。

逆にW-upセットまで全てを型にはめようとすると大変です。

全てのパターンを作り出す必要がありますから....
臨機応変が効かず混乱しますよね。

確かにトレーニングはある程度、型のようなものがありますが、自分の体調に合わせるというような自由もあります。
全てがこうでなければならない!
という事はありません。

W-upセットの組み方を難しいと感じる人は、ここの考え方を変える事で難しさから解放されるはずです。

難しく考えすぎず、全てを覚えようとせず、その時の自分の状況に応じて、色んなパターンを試すといいです。

W-upセットのやり方までメモしてもメインセット(本番)でやる重さや回数が違えば、状況は変わっているのであまり意味ありません。

こうやっておけばいい。

という考えは脳にとっては楽かもしれませんが、それは考えることをやめているだけですよね。

ある程度パターン化する事は効率を上げるうえ(ルーティンの視点からも)で大事ですが、どうしても要所要所で臨機応変に考える場面が必要になります。

・メインセットの前に疲れてしまうことを心配しすぎて少なすぎるW-up
・回数やセット数が多すぎて、メインセットの前に疲れてしまいメインセットで思うように力が出ないW-up
・W-upセットをしていない

全てNGです。

是非、W-upセットはやり方をまる覚えしようとするのではなく、どうやったらメインセットでその日の自分のベストパフォーマンスを発揮できるのかをその都度考えながら組んでみてくださいね。





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