SHONAN TRAINING DEPT. MAGAZINE
トレーニングの現場環境で意外とないもの
S&Cコーチとして活動する中で、指導現場の環境はとても重要です。
指導時間や、指導場所、指導料など、諸々の条件がよかったとしても実際に指導するトレーニングルームの環境が整っていないとS&Cコーチとして仕事の依頼を受ける事が出来ない場合があります。
いやいや自体重でもやれることあるし、指導対象者がプロや大人でない中学生や高校生なら筋力もないから、自体重メインで大丈夫でしょ!
と思われるかもしれませんが、それは大間違いです。
確かに最初のほうはPush upなどの自体重エクササイズもプログラムにいれたりはしますが、そんなものは中学生でも、もちろん高校生でもあっという間にできるようになります。
そのあとは何をやるのでしょうか?
自体重エクササイズをいろいろプログレッシブしたところで限界がありますし、色々こねくり回したところでたかがしれています。
自体重エクササイズでは負荷の大きさや負荷のかけかたなどに制限がありすぎます。
そのため、筋や腱など結合組織に十分な負荷をかけられないので、目的としている筋力向上もはたせません。
もちろん、やらないよりはいいでしょうが、その程度効果の為に時間やお金を消費するのはお互いにとってメリットはないので、そういうことも含めて依頼をうけることはできないということです。
では、どの程度の環境があればいいのか。
もちろん↑のような感じでプラットフォームもラックもバッチリそろっていれば言う事はないですが、そんな現場はごく稀です。
最低限スクワットラックとベンチプレス台が数個とそれに見合うだけのバーベルとプレートがあれば指導はできます。(もちろんあと指導対象者の人数との兼ね合いもありますが。)
そしてもうひとつ、とくに高校の部活の現場において意外とそろっていない為、苦労するのが
ダンベル
です。
意外とこのダンベルがない場合が多いのです。
あるにはあるのですが、2~10kgというごく軽い重量までしかなかったり、それなりの重量のものはあるけどいきなり重くなっていたり、そもそもダンベルの数が1~2セットほどしかなかったり...という感じです。
ダンベルがないときに1番苦労するのが上半身のトレーニングです。
特にプル系エクササイズ。
なぜ、そのときに苦労するのかという事に関しては今回ははしょりますが、ダンベルがない分、アイデアをだして対応する必要があります。
このアイデアですが、それぞれのエクササイズの特徴や強度や難易度などを理解しておく必要があります。
それらを理解しておけば対処できます。
今回は現場環境について書きましたが、
特に高校の部活指導の現場においては、しっかり環境を事前に把握していく必要があります。
全てがばっちりそろっていることなんてほぼないと思いますが、アイデアをだしなんとか対処できるくらいの範囲であればいいですが、あきらかにS&Cコーチとして指導できる範囲が限られてしまうような場合には仕事を受ける事はできません。(お互いの為に)
与えられた環境でプログラムを組み、指導する難しさとともに、
環境がなければ何もすることができない職業でもあるという歯痒さも感じます....