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Variable Resistance Trainingってどうなんだろ?

数年前からよく見られるようになったチェーンやゴムバンドを使用したトレーニングがありますよね。
従来のプレートだけを使用したフリーウェイトトレーニングではなく、そういう可変抵抗を利用したトレーニングの事を

Variable resistance training

と呼びます。
(↓の動画参照)


こういう可変抵抗を利用する主な理由はスティッキングポイントでの負荷を軽減し、それ以外の局面(コンセントリック局面の始まりから終わりにかけて)での負荷を増加させる事でトレーニングの効果を上げる事です。
つまり、スクワットやベンチプレスをやっているときに一番上がりづらく動きが一瞬止まるポイントがありますよね?
そのポイントの事をスティッキングポイントと呼ぶのですが、そのポイントの負荷を弾性バンドやチェーンなどの位置によって抵抗を変える事ができるツールを使う事によって軽減するという事です。

でも私自信よくわかっていませんでしたし、やったこともないし、本当のところ効果はどうなんだろ?ということで以下の論文を読んでみました。

EFFECTS OF VARIABLE RESISTANCE TRAINING ON MAXIMAL STRENGTH:A META-ANALYSIS

最大筋力に対する可変抵抗トレーニングの効果を調査したものです。
この論文によると、
7週間以上(一週間に2セッション以上)のVRTは従来のトレーニングプログラムよりも大幅に筋力を向上したとしています。
しかし、被験者をトレーニングステータスで別けた際はトレーニング経験がある集団においては、筋力向上が見られたが、トレーニングの経験がない集団においてはVRTと従来のトレーニングの間で大きな変化はなかったとしています。

期間等、まだまだ考慮する事もありますが、
一般的なプレートを使用したフリーウェイトトレーニングの経験が十分あり、筋力が伸び悩むようなプラトー状態になっているようなアスリートやトレーニング上級者にとってはオプションの一つとしてVRTをやってみるのは良さそうです。

その一方で、トレーニング初心者の場合はあまりお薦めできないかなという印象です。
まずは一般的なトレーニングから基礎を作っていったほうが良さそうですね。
また、トレーニング期間の終わりに筋断面積の増加がみられないことから、神経レベルでの改善が考えられるとも書いてあるので、この辺も関係してきそうだなと思っています。

というわけで、状況によって変わってはきますが、やってみる価値はありそうだなと思いました。
もちろん、まずは自分で。

チェーンってどこで売ってるんだろ........


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もう12月です。
毎年の事ですが、このへんから絶対にインフルエンザになれない戦いが始まります。
皆さんもお気をつけ下さいませ...

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