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SHONAN TRAINING DEPT. MAGAZINE
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みんなで「健康」を目指す時代へ
NHKスペシャル取材班
「健康格差 あなたの寿命は社会が決める」
写真の通り、インパクトのある帯が目を引いてジャケ買いして読んでみましたが、とても勉強になると同時に現在の日本の状況を把握し、一人の日本国民としてもトレーニング指導を生業とする者としても色々と考えさせられる本でした。
高齢社会がどーのこーのとか、医療費がかかりすぎているとか、社会保障制度が崩壊するとか、そういうことはこれまでも耳には入ってきていましたが、実際に文章とデータをまじまじと見せられると他人事ではないことが実感できます。
そういった現状において、ひらき続ける「健康格差」(経済的・時間的余裕のある人は健康を気遣って、いろんな健康的活動ができるが、余裕のない人はどんどん不健康になっていくということ。)という問題が、なぜ起こっているのか、どう対処していけばいいのか、など詳しくはぜひ本書を読んでいただきたいのですが、今回このブログでは、本書でも健康格差を解消する鍵の一つとして取り上げられている「ポピュレーション・アプローチ」という手法が個人的にとても勉強になったので、そのことを中心に思ったことを書いていこうと思います。
まず「ポピュレーション・アプローチ」とは何なのか?ですが、Googleで検索してみると、
「多くの人々が少しずつリスクを軽減することで、集団全体としては多大な恩恵をもたらすことに注目し、集団全体を良い方向にシフトさせることである。」
としています。
つまり、「健康格差」というものをなくしていくために、何か対策を講じる対照を、
健康へのリスクが高い人(ハイリスク集団)だけに限定するのではなく、健康状態が良くリスクが低い人(一般集団)も含めた全員に広げることを意味しており、リスクの高い「個人」を狙い撃ちするのではなく、すべての人が関与してくるであろう「環境」や「原因の原因」そのものにアプローチしていくことで、集団全体の健康度を改善していこうという意図があります。
そのような全体を見ていく「ポピュレーション・アプローチ」に対して、リスクの高い人に対して重点的に対策を講じる手法を「ハイリスク・アプローチ」と呼んでいます。
呼び方こそ初めて知りましたが、個人的にはこの「ハイリスク・アプローチ」のほうが当たり前の手法であり、馴染みがあります。
何か問題のある人をターゲットにし、対策を講じていくのは当たり前ですよね。
しかし、健康というものが題材になったとき、この「ハイリスク・アプローチ」では限界があるとしています。
「ハイリスク・アプローチ」は言ってみれば「狙い撃ち」の手法です。
そして、狙い撃ち「する側」は善意でやっていたとしても、やはり狙い撃ち「された側」はいい気持ちはしません。
あなたは、健康でありませんよ、何か問題がありますよ、そのままだと大変な事になりますよ、と言われているわけですから無理もありません。
一人暮らしで引きこもりがちな高齢者に対して、介護予防や地域住民のつながりを生むためのコミュニティに参加してもらうために自治体が運営する健康教室のようなものに勧誘する際、
「このままでは寝たきりになるかもしれない、介護保険が必要になるかもしれない」という誘い方をしても、対象の高齢者からは反感を買う場合も多く、逆効果だったという体験談も本書には書いてありました。
そんな誘い方をしたら、そうなるのは当たり前だろ。と思われる方も多いと思いますが、ここまで露骨ではないにしても似たようなアプローチはいろんな所で見かけることができるはずです。
トレーニング関係の業界でも、相手の不安を煽ったりするような勧誘や謳い文句は特別珍しくもないような気がします。
実際、伝えていることが真実であり、不安を煽ってでもその人の行動が改善するのであれば別にいいのかもしれませんが、やはり理想ではないですし、上記のように反感を買うなど限界があるのも想像できます。
そういった、狙い撃ちである「ハイリスク・アプローチ」ではなく、リスクのある人ない人関係なく集団で良い方向を目指す「ポピュレーション・アプローチ」の例として、本書では
イギリスで製パン会社や色んな食品メーカーが国民の食塩摂取量の減少をめざし、少しずつ塩分の含有量を減らした所、イギリス全体で年間2300億円の医療費を節約できたこと(しかも、味の変化に気づかなかったという結果も。笑)や、
日本でも、健康寿命の年齢が全国や東京都の平均よりも2歳も短い足立区が糖尿病予防対策として区全体で取り組んだ、野菜摂取量を促進する「ベジタベライフ」では、4年間で区民一人当たりの野菜摂取量が年間で5kg増加させたこと、
また、先ほどの健康教室への参加に関しても、特定の高齢者へのアプローチをやめて誰もが自然と来たくなるような仕組みを作ったことで参加者が増加したこと、
などをあげています。
このように、問題に対して根本的なところから介入し、対症療法的に特定の個人を狙うのではなく、社会の環境や習慣そのものを変えることで、多くの人にアプローチできるというのが「ポピュレーション・アプローチ」なわけですが、社会そのものを変えるにはやはり国や行政など大きな力が必要なのは間違いありませんし、またそれだけに時間もかかるはずです。
WHOによると「健康格差」を生み出す要因は、所得、地域、雇用形態、家族構成の4つが背景にあるとしています。
そういうことが背景にあり、もはや国や行政の介入なしには日本国憲法第25条にある「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を有することができない人たちも一定数いるわけですが、今は大丈夫と思っていても終身雇用がなくなるような現在の日本において、いつ自分がそういう立場になるかもわかりません。
「健康格差」ができるだけなくなるような大きな枠組みを構築していくためには、国や行政、大企業などの大きな力が必要不可欠ですが、国民一人一人が出来る範囲で自分の健康というものに向き合っていく必要があることも間違いないでしょう。
人生100年時代とか、老後2000万とか言われる中で、資産形成のために早い段階から貯金をする人は多いと思いますが、健康面に対してはどうでしょうか?
今は不自由なく活動できているその身体も立派な資産の一つです。
身体の健康に対しても出来るだけ早い段階で気を使っていくことが必要だと考えます。
本書では、高塩分食から胃ガンの発症リスクが高い秋田県で、そういう食生活が原因とされ、やはり胃ガンにかかってしまった一人の男性を紹介していました。
その男性は、自身が胃ガンで胃の4分の3を切除した経験を伝え、少しでもガンになる人が減ってほしいという活動を続けているということで、やっぱり病気になると人は変わるんだなぁと思いながら読み進めていたのですが....
その方は、そういう活動を続けながらも相変わらず塩分の多い食生活は変わっていなかったのです。
えっ?食生活変えずに何を伝えているの?と引いちゃいそうになりますが、これは先ほど挙げた「健康格差」を生み出す要因の一つである地域の部分に該当します。
幼い頃から、塩分をおおくとることが当たり前の地域でそういう習慣が根付いてしまうと、それを変えるのは自分の力だけでは困難だということです。
そうしたことから、個人の管理に任せるだけではなく、秋田県では減塩キャンペーンなどを実施しているようです。
習慣形成が後の人生において大きくモノをいってくるのであれば出来るだけ早い段階でその習慣が良いのか悪いのか気づいておきたいですよね。
自分のための食事管理や運動などの健康的な活動が、自分のためだけに留まらず日本全体のためになってきますし、自分の不摂生が自分だけではなく日本全体の不健康に繋がる段階に来ています。
本書では、健康や寿命というものが、自己責任なのか、はたまた社会の責任なのかも討論されていますが、
どちらかが0で、どちらかが100という事はあり得ません。
確実に自己責任じゃない部分もあれば、確実に自己責任である部分もあるはずです。
どこまでが自己責任で、どこまでが社会や環境のせいなのかを見極めて、自分で是正できる点については自分自身でしっかり考えていけるといいですね。
ちなみに「ポピュレーション・アプローチ」というものを今回知ることができ、とても勉強になりましたが、「ポピュレーション・アプローチ」という手法が「ハイリスク・アプローチ」よりも優れた手法というわけではありません。(おそらく、たぶん...)
適材適所ということで、今回の件に関しては「ポピュレーション・アプローチ」が活きたということだと思いますので、あしからず。
また、人間の動機として正しいことをやるというよりも、「うれしい」とか「たのしい」といった直感的な感情に結びつくほうが強いモチベーションになることや、正しい知識を啓蒙することだけでは、問題を解決できない場合もあるということも本書には書いてあり、とてもいい勉強になりました。
結局は、対象者が困っている根本の原因が何かわからなければ全て的外れなアプローチにもなってしまう可能性があるということですよね。
(トレーニングでも同じ...)
今現在、私がやっていることは特定の集団に対して狙いを定めているようなハイリスク・アプローチというわけでもありませんが、おそらく最初からトレーニングや身体を動かすことに対してある程度興味のある方々が対象になっているはずです。
その一方で、そういったことに興味のない方々へのアプローチは一切できていません。(実感として...)
正直なところ、興味を持ってくれた方にしっかりとしたものを提供できればいいと思っていますし、仕事としてやっていく上ではそれで間違ってはいないと思います。
しかし、今後おそらく運動やトレーニングというものがもっと必要とされ、身近な存在となっていく上でその考え方だけだと、健康格差をうめることに対しては何もやれないままです。
人々の健康を後押しするトレーニングを教えている者として、それでは少し寂しいなと感じます。
怪しげな情報が錯綜する中で、確かな情報や正しい知識を伝えていく努力は一貫して続けていく一方で、もっと違うことが根本的な原因としてあるがために運動やトレーニングをするまでに至らない人たちに対しても何かしらの仕組みを今後考えていきたいと思わされた今回の読書でした。
問題が複雑であり、内容が盛りだくさんな本書であるだけにちゃんとまとめられたのか自分でもよくわからないので、言いたいことをメッチャ簡単にアホっぽく最後に書いておきます。
・このままでは日本大変だよー
・社会が変わらないと厳しい部分もあるけど、個人でできることはすぐやろうねー
・お金の対策はしてる人多いだろうけど、身体の健康の対策はなにかしてるのー?
・ポピュレーション・アプローチメッチャ勉強になったし、この手法は頭の中にいれとこー
・健康も不健康ももはや個人の問題じゃないところまできてるよん。ぴえん
・多くの人に運動やトレーニングをやってもらえるようにこれからもがんばるよー
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
自分のためだと頑張れない人っていますよね。
だからトレーニングとか無理っていうひとたちも。
でも、もう今の時代、そのトレーニングが自分のためだけじゃなく、自分の子どものためや日本国民のためになるとしたら、そういう人たちってメチャメチャ頑張れるんでない?
知らんけど。笑
「健康格差 あなたの寿命は社会が決める」
写真の通り、インパクトのある帯が目を引いてジャケ買いして読んでみましたが、とても勉強になると同時に現在の日本の状況を把握し、一人の日本国民としてもトレーニング指導を生業とする者としても色々と考えさせられる本でした。
高齢社会がどーのこーのとか、医療費がかかりすぎているとか、社会保障制度が崩壊するとか、そういうことはこれまでも耳には入ってきていましたが、実際に文章とデータをまじまじと見せられると他人事ではないことが実感できます。
そういった現状において、ひらき続ける「健康格差」(経済的・時間的余裕のある人は健康を気遣って、いろんな健康的活動ができるが、余裕のない人はどんどん不健康になっていくということ。)という問題が、なぜ起こっているのか、どう対処していけばいいのか、など詳しくはぜひ本書を読んでいただきたいのですが、今回このブログでは、本書でも健康格差を解消する鍵の一つとして取り上げられている「ポピュレーション・アプローチ」という手法が個人的にとても勉強になったので、そのことを中心に思ったことを書いていこうと思います。
まず「ポピュレーション・アプローチ」とは何なのか?ですが、Googleで検索してみると、
「多くの人々が少しずつリスクを軽減することで、集団全体としては多大な恩恵をもたらすことに注目し、集団全体を良い方向にシフトさせることである。」
としています。
つまり、「健康格差」というものをなくしていくために、何か対策を講じる対照を、
健康へのリスクが高い人(ハイリスク集団)だけに限定するのではなく、健康状態が良くリスクが低い人(一般集団)も含めた全員に広げることを意味しており、リスクの高い「個人」を狙い撃ちするのではなく、すべての人が関与してくるであろう「環境」や「原因の原因」そのものにアプローチしていくことで、集団全体の健康度を改善していこうという意図があります。
そのような全体を見ていく「ポピュレーション・アプローチ」に対して、リスクの高い人に対して重点的に対策を講じる手法を「ハイリスク・アプローチ」と呼んでいます。
呼び方こそ初めて知りましたが、個人的にはこの「ハイリスク・アプローチ」のほうが当たり前の手法であり、馴染みがあります。
何か問題のある人をターゲットにし、対策を講じていくのは当たり前ですよね。
しかし、健康というものが題材になったとき、この「ハイリスク・アプローチ」では限界があるとしています。
「ハイリスク・アプローチ」は言ってみれば「狙い撃ち」の手法です。
そして、狙い撃ち「する側」は善意でやっていたとしても、やはり狙い撃ち「された側」はいい気持ちはしません。
あなたは、健康でありませんよ、何か問題がありますよ、そのままだと大変な事になりますよ、と言われているわけですから無理もありません。
一人暮らしで引きこもりがちな高齢者に対して、介護予防や地域住民のつながりを生むためのコミュニティに参加してもらうために自治体が運営する健康教室のようなものに勧誘する際、
「このままでは寝たきりになるかもしれない、介護保険が必要になるかもしれない」という誘い方をしても、対象の高齢者からは反感を買う場合も多く、逆効果だったという体験談も本書には書いてありました。
そんな誘い方をしたら、そうなるのは当たり前だろ。と思われる方も多いと思いますが、ここまで露骨ではないにしても似たようなアプローチはいろんな所で見かけることができるはずです。
トレーニング関係の業界でも、相手の不安を煽ったりするような勧誘や謳い文句は特別珍しくもないような気がします。
実際、伝えていることが真実であり、不安を煽ってでもその人の行動が改善するのであれば別にいいのかもしれませんが、やはり理想ではないですし、上記のように反感を買うなど限界があるのも想像できます。
そういった、狙い撃ちである「ハイリスク・アプローチ」ではなく、リスクのある人ない人関係なく集団で良い方向を目指す「ポピュレーション・アプローチ」の例として、本書では
イギリスで製パン会社や色んな食品メーカーが国民の食塩摂取量の減少をめざし、少しずつ塩分の含有量を減らした所、イギリス全体で年間2300億円の医療費を節約できたこと(しかも、味の変化に気づかなかったという結果も。笑)や、
日本でも、健康寿命の年齢が全国や東京都の平均よりも2歳も短い足立区が糖尿病予防対策として区全体で取り組んだ、野菜摂取量を促進する「ベジタベライフ」では、4年間で区民一人当たりの野菜摂取量が年間で5kg増加させたこと、
また、先ほどの健康教室への参加に関しても、特定の高齢者へのアプローチをやめて誰もが自然と来たくなるような仕組みを作ったことで参加者が増加したこと、
などをあげています。
このように、問題に対して根本的なところから介入し、対症療法的に特定の個人を狙うのではなく、社会の環境や習慣そのものを変えることで、多くの人にアプローチできるというのが「ポピュレーション・アプローチ」なわけですが、社会そのものを変えるにはやはり国や行政など大きな力が必要なのは間違いありませんし、またそれだけに時間もかかるはずです。
WHOによると「健康格差」を生み出す要因は、所得、地域、雇用形態、家族構成の4つが背景にあるとしています。
そういうことが背景にあり、もはや国や行政の介入なしには日本国憲法第25条にある「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を有することができない人たちも一定数いるわけですが、今は大丈夫と思っていても終身雇用がなくなるような現在の日本において、いつ自分がそういう立場になるかもわかりません。
「健康格差」ができるだけなくなるような大きな枠組みを構築していくためには、国や行政、大企業などの大きな力が必要不可欠ですが、国民一人一人が出来る範囲で自分の健康というものに向き合っていく必要があることも間違いないでしょう。
人生100年時代とか、老後2000万とか言われる中で、資産形成のために早い段階から貯金をする人は多いと思いますが、健康面に対してはどうでしょうか?
今は不自由なく活動できているその身体も立派な資産の一つです。
身体の健康に対しても出来るだけ早い段階で気を使っていくことが必要だと考えます。
本書では、高塩分食から胃ガンの発症リスクが高い秋田県で、そういう食生活が原因とされ、やはり胃ガンにかかってしまった一人の男性を紹介していました。
その男性は、自身が胃ガンで胃の4分の3を切除した経験を伝え、少しでもガンになる人が減ってほしいという活動を続けているということで、やっぱり病気になると人は変わるんだなぁと思いながら読み進めていたのですが....
その方は、そういう活動を続けながらも相変わらず塩分の多い食生活は変わっていなかったのです。
えっ?食生活変えずに何を伝えているの?と引いちゃいそうになりますが、これは先ほど挙げた「健康格差」を生み出す要因の一つである地域の部分に該当します。
幼い頃から、塩分をおおくとることが当たり前の地域でそういう習慣が根付いてしまうと、それを変えるのは自分の力だけでは困難だということです。
そうしたことから、個人の管理に任せるだけではなく、秋田県では減塩キャンペーンなどを実施しているようです。
習慣形成が後の人生において大きくモノをいってくるのであれば出来るだけ早い段階でその習慣が良いのか悪いのか気づいておきたいですよね。
自分のための食事管理や運動などの健康的な活動が、自分のためだけに留まらず日本全体のためになってきますし、自分の不摂生が自分だけではなく日本全体の不健康に繋がる段階に来ています。
本書では、健康や寿命というものが、自己責任なのか、はたまた社会の責任なのかも討論されていますが、
どちらかが0で、どちらかが100という事はあり得ません。
確実に自己責任じゃない部分もあれば、確実に自己責任である部分もあるはずです。
どこまでが自己責任で、どこまでが社会や環境のせいなのかを見極めて、自分で是正できる点については自分自身でしっかり考えていけるといいですね。
ちなみに「ポピュレーション・アプローチ」というものを今回知ることができ、とても勉強になりましたが、「ポピュレーション・アプローチ」という手法が「ハイリスク・アプローチ」よりも優れた手法というわけではありません。(おそらく、たぶん...)
適材適所ということで、今回の件に関しては「ポピュレーション・アプローチ」が活きたということだと思いますので、あしからず。
また、人間の動機として正しいことをやるというよりも、「うれしい」とか「たのしい」といった直感的な感情に結びつくほうが強いモチベーションになることや、正しい知識を啓蒙することだけでは、問題を解決できない場合もあるということも本書には書いてあり、とてもいい勉強になりました。
結局は、対象者が困っている根本の原因が何かわからなければ全て的外れなアプローチにもなってしまう可能性があるということですよね。
(トレーニングでも同じ...)
今現在、私がやっていることは特定の集団に対して狙いを定めているようなハイリスク・アプローチというわけでもありませんが、おそらく最初からトレーニングや身体を動かすことに対してある程度興味のある方々が対象になっているはずです。
その一方で、そういったことに興味のない方々へのアプローチは一切できていません。(実感として...)
正直なところ、興味を持ってくれた方にしっかりとしたものを提供できればいいと思っていますし、仕事としてやっていく上ではそれで間違ってはいないと思います。
しかし、今後おそらく運動やトレーニングというものがもっと必要とされ、身近な存在となっていく上でその考え方だけだと、健康格差をうめることに対しては何もやれないままです。
人々の健康を後押しするトレーニングを教えている者として、それでは少し寂しいなと感じます。
怪しげな情報が錯綜する中で、確かな情報や正しい知識を伝えていく努力は一貫して続けていく一方で、もっと違うことが根本的な原因としてあるがために運動やトレーニングをするまでに至らない人たちに対しても何かしらの仕組みを今後考えていきたいと思わされた今回の読書でした。
問題が複雑であり、内容が盛りだくさんな本書であるだけにちゃんとまとめられたのか自分でもよくわからないので、言いたいことをメッチャ簡単にアホっぽく最後に書いておきます。
・このままでは日本大変だよー
・社会が変わらないと厳しい部分もあるけど、個人でできることはすぐやろうねー
・お金の対策はしてる人多いだろうけど、身体の健康の対策はなにかしてるのー?
・ポピュレーション・アプローチメッチャ勉強になったし、この手法は頭の中にいれとこー
・健康も不健康ももはや個人の問題じゃないところまできてるよん。ぴえん
・多くの人に運動やトレーニングをやってもらえるようにこれからもがんばるよー
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自分のためだと頑張れない人っていますよね。
だからトレーニングとか無理っていうひとたちも。
でも、もう今の時代、そのトレーニングが自分のためだけじゃなく、自分の子どものためや日本国民のためになるとしたら、そういう人たちってメチャメチャ頑張れるんでない?
知らんけど。笑
カテゴリ:
(SHONAN TRAINING DEPT.) 2020年6月23日 11:30
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