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n=1を参考にするな


トレーニング指導者はトレーニングや人体に関して出来るだけ科学的に解明されている事実をもとにトレーニング指導を実施します。
もちろん、まだまだ解明されていないことだらけですので、全てにおいて科学的な背景があるわけではありませんが...

そういった科学的な背景を指導に活かすべく論文を読むのですが、その論文がどれくらいの信憑性があるかを判断するときに注意する点の1つとして、被験者の人数があります。

例えば
その実験に関わった被験者が5人(n=5)のものと30人(n=30)のものであれば、当然30人のもののほうが信憑性は高いと判断され、たった5人を対象に行われた実験なんて基本的には参考になりません。

メディアなどでアスリートがやっているトレーニング方法や食事、習慣などは頻繁に取り上げられますが、一般論ではなくかなり特殊なパターンの場合もあります。
アスリートの影響力というものは凄まじいものがあるので、それを知った子どもや親まで、そのアスリートの"特殊な"やり方を急に真似しようとしてしまいます。
しかしその事実はただのn=1の信憑性しかなく、もしかするとそのアスリートだから成り立っているだけかもしれません。
そのアスリートからしてもいろんな経験を経て自分に一番あっているやり方にやっとたどり着いた方法かもしれません。
いずれにしても、どれほどの信憑性があるかもわからないものを急に真似したりする行為は危険です。
まずは広く認知され、解明されているような一般論から実施し、それから少しずつ自分に合わせてやっていったほうが効率的だと思います。

プロ野球もオフに入ったこの時期、選手のオフの過ごし方や来シーズンに向けての肉体改造のことなどユーモアを含めたいろんな情報が出てきますが、そういう情報を鵜呑みにせず、まずはその分野の専門家に聞くのがいいでしょう。

あの人がやっているから、自分も...が通用しない場合もあります。


あと今年も40日...




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