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最近流行り?のビタミンDについて
今回の内容はサプリメントに関するものではありませんが、コロナウイルスが蔓延する中で焦点を当てられた栄養素の一つでもあるビタミンDについてです。
アスリートにおいても大きな影響を与えるビタミンDについて自分自身でもまとめておきたかったので、今回はそんな内容です。
ビタミンDはカルシウムやリンの吸収を促進することから、骨形成と成長に大きく関わってきます。また、最近の研究では運動能力に影響を与える骨格筋の成長や心肺機能、免疫機能においても積極的な役割を果たしていることも指摘され、それゆえに傷害の回復や感染症のリスクにも影響を及ぼすことからコロナ禍の現在において注目されているということが考えられます。
ビタミンDは体内で生成できないため、日光に当たり紫外線の作用によって生成するというユニークな方法と食事から摂取する方法があります。
食事からの摂取ですが、
植物性食品からはキノコや海藻類
動物性食品からは鮭、鯖などの脂肪分の多い魚や卵黄
から摂ることができます。
しかし、食材が限られていることもあるので、やはり定期的に日光にあたることは欠かせないように思われます。
しかしながら、日光にあたることに関しましても皮膚ガンのリスクや、特に女性であれば日焼けを気にする方も多いかと思います。(ビタミンDの不足・欠乏は特に女性で多いのはこれも関係しているかも?)
また、紫外線の量は住んでいる地域や季節によっても変動するため、その都度どの方法をメインにしていくかも考える必要がありそうですね。
例えば、女性で(決め付けるわけではありませんが...)極力日光に当たりたくない、または外に出ていたとしても紫外線カットの日焼け止めを必ず使用している方であれば食事からの摂取をメインに考えていく必要があるでしょうし、食事からの摂取も不十分な場合はサプリメントが有効となる場合もあるかと思います。
サプリメントはちゃんとした食事をすれば必要ない!なんてことをいう人もいますが、ビタミンDのような栄養素のことを考えるとサプリメントからビタミンDを摂取するのはとても効率がいいですし、サプリメントを完全に排除するのは現実的ではないように思います。
2020年版の日本人の食事摂取基準では、骨折リスクを上昇させないために必要なビタミンD量から日照により皮膚で生産される量を差し引いたものを必要摂取量とし、その骨折リスクを上昇させないために必要なビタミンD量はアメリカ・カナダの摂取基準にならって15μg(マイクログラム)/日としています。 (1μgは100万分の1g)
7月、12月の札幌、那覇、つくばにおいてどの程度の日照時間からどれくらいのビタミンDを産生できるのか?という実験から、冬の札幌でも5μg/日程度のビタミンDは産生されるとして、15μg−5μg=10μgが必要なビタミン摂取量とし、ここから現実的に達成可能な目安量として、成人に対する目安量は8,5μgとされているようです。
しかし、これは先ほども書いたように住んでいる地域や生活習慣にによって変動します。
現在のコロナ禍のように外出機会が乏しくなっていれば、より多くのビタミンDの摂取が必要ですし、夏の沖縄のような地域で十分に日光に当たっているのであれば摂取量はより低くていいことも考えられます。
ビタミンDの単位としてμg(マイクログラム)で書きましたが、国際単位(International Unit)の略でIU(1μg=40IUで、8,5μg=340IUです。)という表記もよく見られます。
(※日光にあたる時間が不十分な場合には、上記の摂取量では不十分とされ推奨摂取量を1500~2200IU/日であるとする意見も。)
ちなみに食材からは以下のビタミンD量が摂取できるようです。
焼き鮭(100g)→1576IU
さば水煮(120g)→440IU
卵(1個55g)→40IU
きくらげ(1個1g)→176IU
ビタミンDを摂取できる食材は豊富というわけではありませんが、鮭や鯖から多くの量が摂れることがわかりますね!
ビタミンDに限ったことではなく、なんでも適正量があり摂れば摂るほどいい!というものは存在しないはずです。
ビタミンDの過剰摂取の結果として生じる高カルシウム血症は、食欲不振・頻尿・嘔吐・腎不全などを引き起こす可能性がありますが、このような有害事象の報告があるのは250μg(10000IU)/日以上という常識ではあまり考えられないレベルでの摂取量の場合とされています。
ちなみに2020年版の摂取基準では、成人における耐容上限量は100μg(4000IU)/日としており、これはかなりの安全を見越して定められたようです。
(耐容上限量や摂取量に関しては様々な報告があるようです。)
ビタミンDは脂溶性ビタミンで体内に蓄積しやすいことから危険だと考えられやすいようですが、ビタミンDは摂取した後活性化する必要があり、それらは腎臓において調節されているためそこまで心配する必要はなく過剰摂取も上記したように常識では考えにくいレベルでのことになるので基本的には問題ないかと思います。
しかし、やはり摂れば摂るほどいいという間違った認識は捨てるべきであり、質の悪いサプリメントやサプリメントの過剰摂取には注意をはらう必要がありそうですね。
そして、これはもちろんビタミンDに限ったことではありません。
イメージでは、アスリートは特に屋外スポーツであれば日光に当たっている時間も充分でしょうし、食事に関しても注意していてビタミンDの不足などに関しても問題なさそうですよね。
しかし、実際はそうではないようです。
ビタミンDの欠乏症は世界で10億人とも推定されており、漸進的な増加も心配されています。
アスリートとの関係性を見ても、その流れは無視できず世界のスポーツ人口におけるビタミンDの欠乏も同じパターンを辿っているとされ、
プロアスリートのビタミンDレベルを分析した研究では、
バスケットボール選手で32%が欠乏(deficient)、47%が不足(insufficiency)
アメフト選手で26%が欠乏(deficient)、42〜80%が不足(insufficiency)→何このアバウトな感じ...
ということが判明しています。
先ほども、ビタミンDの摂取量や必要量は環境やライフスタイルによって変化すると書きましたが、それはもちろんアスリートでも例外ではなく、住んでいる地域、日照時間、人種・民族の違いで変動します。
皮膚にメラニンが多く含まれているアスリートではビタミンDを生成するためにより多くの紫外線照射が必要だとしている研究もあり、プロホッケー選手(選手の96%以上が白人)を対象とした研究ではビタミンDの欠乏や不足がすくなかったことから原因は人種に起因するものとしています。
以上のようなことも含めて、アスリートもビタミンDが欠乏・不足しやすいということを認識し、一般の人たち同様に住んでいる地域やライフスタイルに加えて練習環境や人種の違いも考慮に入れた上で摂取・生成量を正しく把握する必要があると考えられますね。
ちなみに先ほどからチラチラでてきていますがビタミンDが十分ではないときの表現として不足と欠乏のという2つの表現をしていますが、もちろん意味合いが違います。
ビタミンDの不足や欠乏の判定基準には血清25(OH)Dという評価の上で血中に安定して存在する代謝産物を指標にするのですが、その血清25(OH)Dが、
30ng/ml以上→充足
20ng/ml以上30ng/ml未満→不足
20ng/ml未満→欠乏
ということになります。
もちろん、不足よりも欠乏のほうが重症ということになりますが、一般の方においてもアスリートにおいても不足・欠乏どちらも珍しいことではないことは上記した通りです。
まず、やはり気になるのは骨軟化症や骨折などの骨に関わる傷害との関連性ですが、
骨の発育・成長を促し、保つためにはビタミンDとカルシウムが十分に摂れていることが必要なのは周知の事実だと思いますが、骨の健康を「最適」に保つための正確なビタミンD濃度はまだはっきりしていないようです。
また、ビタミンDレベルが骨塩密度に影響は与えますが、骨折した後の治癒におけるビタミンDの役割についても未だはっきりしていないみたいです。
ビタミンDレベルが高い状態では、骨の成長を促し骨折などのリスクの減少に繋がることは間違いなさそうですが、最適な量やメカニズムに関する部分はまだわからないことも多いようですね。
ビタミンDは骨だけではなく筋肉細胞の増殖や骨格筋の収縮にも影響を与えることも示唆されており、
ビタミンD欠乏症のアスリートがビタミンDを補給することで筋パフォーマンスの特定のパラメーターが改善することやビタミンDが不足しているアスリートはリハビリや回復が遅れることなどからビタミンDが筋肉量や筋力を向上させる可能性も示唆されています。
また、ビタミンDは気道感染症の発症も抑えるとされており、適切なビタミンDの摂取が気道感染症の予防に有効であることも示されていますが、これは肺の機能にもビタミンDが関わっていることを示しており(コロナ禍で注目されている要因の一つ?)、ビタミンDの不足は肺機能障害・喘息・慢性閉塞性肺疾患に関わっているとしていますが、VO2MAXなどアスリートの有酸素性能力の指標は肺機能に強く依存している為、肺機能の側面からみてもビタミンDの不足は防ぎたいところです。
気道感染症の予防に効果的ということですが、ビタミンDは炎症性サイトカインの産生を減少させることも示されており、これにより一般的な風邪やインフルエンザなどにかかる頻度を下げる働きも期待されています。
エリートレベルのアスリートでは呼吸器疾患の発生率が高いことからも、やはりアスリートにとってビタミンDの不足は避けたいところですね。
さらに、ビタミンDは心血管系との関わりもあり、ビタミンDの血清レベルが低いと病的な心筋肥大・血圧上昇などを引き起こす可能性があり心筋の機能に悪影響があれば、筋肉への酸素や栄養の供給にも影響を与え、当然心肺機能にも関わってくることからこの点においても運動パフォーマンスに深い関与があると言えます。
また、重度のビタミンD欠乏は最初にも書いた通り動脈硬化も促進します。
以上のことから、ビタミンDは骨・筋肉組織・心肺機能・心血管系において幅広く関与しているためアスリートにとっても不足・欠乏は避けたい栄養素と言えます。
・一般の人、アスリート問わず多くの人が不足・欠乏している事実を知ること
・住んでいる地域やライフスタイルによって摂取・生成方法や量を変える必要があることに気をつける
・最適な量などわからないこともまだ多いが、不足にならない量の摂取・生成を心がける
・アスリートの場合は、周りに比べて風邪にかかりやすい・回復が遅いなどのビタミンD不足から起こり得る兆候に思い当たる節があれば改善する
といったことが重要かと思われます。
しかし、気をつけなければいけない点として何か一つの栄養素に焦点を当てるだけでは、木を見て森を見ずみたいな感じで振り回されて結局何の解決にもならないことが考えられます。
何事も総合的に考え、バランスを重視していく必要がありますよね。
当然、一般の人もアスリートもビタミンDだけ摂れていれば健康的でいられるわけではありませんし、パフォーマンスが向上するわけでもありません。
ビタミンDはそうなるための一つの栄養素にすぎません。
そのへんに注意して、正しくビタミンDを摂っていきましょう。
そして、食事や栄養に関してはやはり管理栄養士などのその道のプロに頼るのがいいかと思います。
《参考資料》
Role of Vitamin D in Athletes and Their Performance : Current Concepts and New Trends
健康増進におけるビタミンDの役割とその必要量
ビタミンD不足・欠乏の判定指針
ビタミンDの不足が原因かはわかりかねますが、当ジムに通ってくださる方の中にも最近ストレスが溜まっていると教えてくださる方も複数いらっしゃいます。
話を聞くと、やはり外にでる頻度が少なかったり人と会う機会や話す機会がすくないことなどがあるようです。
リモートワークで通勤しないでいいことや感染のリスクの減少など良いこともありますが、当然デメリットもあります。
ストレスを溜めないように安全な範囲で外に出て日光に当たってみるのもいいのではないでしょうか。
しかし、この時期はまたやっかいなもので花粉症の対策もしなきゃいけないんですよね....
ビタミンDは花粉症などのアレルギーに対しての効果も期待されているようですが....どうなんでしょうか。
アスリートにおいても大きな影響を与えるビタミンDについて自分自身でもまとめておきたかったので、今回はそんな内容です。
目次
ビタミンDってどんな作用があるの?
1.そもそもビタミンDって?
そもそもビタミンDってどんな作用があるのってところからですね。ビタミンDはカルシウムやリンの吸収を促進することから、骨形成と成長に大きく関わってきます。また、最近の研究では運動能力に影響を与える骨格筋の成長や心肺機能、免疫機能においても積極的な役割を果たしていることも指摘され、それゆえに傷害の回復や感染症のリスクにも影響を及ぼすことからコロナ禍の現在において注目されているということが考えられます。
2.不足するとどうなるの?
そのようなビタミンDが不足すると、ビタミンDは先ほども書いたようにカルシウムやリンの吸収にかかわっているわけですから、それらがうまく促進されなくなると弱い骨が出来てしまう骨軟化症や骨粗鬆症、骨折のリスクが増加し、また重度のビタミンD欠乏は適応免疫応答の変化を引き起こし、血管機能障害・動脈硬化なども引き起こす可能性もあるようです。。どうやって摂取できるの?
不足すると困るビタミンDですが、摂取(生成)方法は2通りあります。ビタミンDは体内で生成できないため、日光に当たり紫外線の作用によって生成するというユニークな方法と食事から摂取する方法があります。
食事からの摂取ですが、
植物性食品からはキノコや海藻類
動物性食品からは鮭、鯖などの脂肪分の多い魚や卵黄
から摂ることができます。
しかし、食材が限られていることもあるので、やはり定期的に日光にあたることは欠かせないように思われます。
しかしながら、日光にあたることに関しましても皮膚ガンのリスクや、特に女性であれば日焼けを気にする方も多いかと思います。(ビタミンDの不足・欠乏は特に女性で多いのはこれも関係しているかも?)
また、紫外線の量は住んでいる地域や季節によっても変動するため、その都度どの方法をメインにしていくかも考える必要がありそうですね。
例えば、女性で(決め付けるわけではありませんが...)極力日光に当たりたくない、または外に出ていたとしても紫外線カットの日焼け止めを必ず使用している方であれば食事からの摂取をメインに考えていく必要があるでしょうし、食事からの摂取も不十分な場合はサプリメントが有効となる場合もあるかと思います。
サプリメントはちゃんとした食事をすれば必要ない!なんてことをいう人もいますが、ビタミンDのような栄養素のことを考えるとサプリメントからビタミンDを摂取するのはとても効率がいいですし、サプリメントを完全に排除するのは現実的ではないように思います。
どれくらい摂ればいいの?
1.必要摂取量
摂取(生成)の仕方の次はどれくらい必要なのか?ってところですよね。2020年版の日本人の食事摂取基準では、骨折リスクを上昇させないために必要なビタミンD量から日照により皮膚で生産される量を差し引いたものを必要摂取量とし、その骨折リスクを上昇させないために必要なビタミンD量はアメリカ・カナダの摂取基準にならって15μg(マイクログラム)/日としています。 (1μgは100万分の1g)
7月、12月の札幌、那覇、つくばにおいてどの程度の日照時間からどれくらいのビタミンDを産生できるのか?という実験から、冬の札幌でも5μg/日程度のビタミンDは産生されるとして、15μg−5μg=10μgが必要なビタミン摂取量とし、ここから現実的に達成可能な目安量として、成人に対する目安量は8,5μgとされているようです。
しかし、これは先ほども書いたように住んでいる地域や生活習慣にによって変動します。
現在のコロナ禍のように外出機会が乏しくなっていれば、より多くのビタミンDの摂取が必要ですし、夏の沖縄のような地域で十分に日光に当たっているのであれば摂取量はより低くていいことも考えられます。
ビタミンDの単位としてμg(マイクログラム)で書きましたが、国際単位(International Unit)の略でIU(1μg=40IUで、8,5μg=340IUです。)という表記もよく見られます。
(※日光にあたる時間が不十分な場合には、上記の摂取量では不十分とされ推奨摂取量を1500~2200IU/日であるとする意見も。)
ちなみに食材からは以下のビタミンD量が摂取できるようです。
焼き鮭(100g)→1576IU
さば水煮(120g)→440IU
卵(1個55g)→40IU
きくらげ(1個1g)→176IU
ビタミンDを摂取できる食材は豊富というわけではありませんが、鮭や鯖から多くの量が摂れることがわかりますね!
2.摂りすぎについて
次に気になる点としては、摂りすぎに関してかと思います。ビタミンDに限ったことではなく、なんでも適正量があり摂れば摂るほどいい!というものは存在しないはずです。
ビタミンDの過剰摂取の結果として生じる高カルシウム血症は、食欲不振・頻尿・嘔吐・腎不全などを引き起こす可能性がありますが、このような有害事象の報告があるのは250μg(10000IU)/日以上という常識ではあまり考えられないレベルでの摂取量の場合とされています。
ちなみに2020年版の摂取基準では、成人における耐容上限量は100μg(4000IU)/日としており、これはかなりの安全を見越して定められたようです。
(耐容上限量や摂取量に関しては様々な報告があるようです。)
ビタミンDは脂溶性ビタミンで体内に蓄積しやすいことから危険だと考えられやすいようですが、ビタミンDは摂取した後活性化する必要があり、それらは腎臓において調節されているためそこまで心配する必要はなく過剰摂取も上記したように常識では考えにくいレベルでのことになるので基本的には問題ないかと思います。
しかし、やはり摂れば摂るほどいいという間違った認識は捨てるべきであり、質の悪いサプリメントやサプリメントの過剰摂取には注意をはらう必要がありそうですね。
そして、これはもちろんビタミンDに限ったことではありません。
アスリートとの関係性
1.アスリートはビタミンD足りている?
次はアスリートに焦点をあてて見ていきましょう。イメージでは、アスリートは特に屋外スポーツであれば日光に当たっている時間も充分でしょうし、食事に関しても注意していてビタミンDの不足などに関しても問題なさそうですよね。
しかし、実際はそうではないようです。
ビタミンDの欠乏症は世界で10億人とも推定されており、漸進的な増加も心配されています。
アスリートとの関係性を見ても、その流れは無視できず世界のスポーツ人口におけるビタミンDの欠乏も同じパターンを辿っているとされ、
プロアスリートのビタミンDレベルを分析した研究では、
バスケットボール選手で32%が欠乏(deficient)、47%が不足(insufficiency)
アメフト選手で26%が欠乏(deficient)、42〜80%が不足(insufficiency)→何このアバウトな感じ...
ということが判明しています。
先ほども、ビタミンDの摂取量や必要量は環境やライフスタイルによって変化すると書きましたが、それはもちろんアスリートでも例外ではなく、住んでいる地域、日照時間、人種・民族の違いで変動します。
皮膚にメラニンが多く含まれているアスリートではビタミンDを生成するためにより多くの紫外線照射が必要だとしている研究もあり、プロホッケー選手(選手の96%以上が白人)を対象とした研究ではビタミンDの欠乏や不足がすくなかったことから原因は人種に起因するものとしています。
以上のようなことも含めて、アスリートもビタミンDが欠乏・不足しやすいということを認識し、一般の人たち同様に住んでいる地域やライフスタイルに加えて練習環境や人種の違いも考慮に入れた上で摂取・生成量を正しく把握する必要があると考えられますね。
ちなみに先ほどからチラチラでてきていますがビタミンDが十分ではないときの表現として不足と欠乏のという2つの表現をしていますが、もちろん意味合いが違います。
ビタミンDの不足や欠乏の判定基準には血清25(OH)Dという評価の上で血中に安定して存在する代謝産物を指標にするのですが、その血清25(OH)Dが、
30ng/ml以上→充足
20ng/ml以上30ng/ml未満→不足
20ng/ml未満→欠乏
ということになります。
もちろん、不足よりも欠乏のほうが重症ということになりますが、一般の方においてもアスリートにおいても不足・欠乏どちらも珍しいことではないことは上記した通りです。
2.アスリートにおけるビタミンDのパフォーマンスへの影響
はじめのほうにビタミンDが不足すると、骨折のリスクを高めたりや免疫応答の変化を生じるということを書きましたが、ビタミンDの不足がアスリートにとってどのような不都合を起こすのかを掘り下げてみましょう。まず、やはり気になるのは骨軟化症や骨折などの骨に関わる傷害との関連性ですが、
骨の発育・成長を促し、保つためにはビタミンDとカルシウムが十分に摂れていることが必要なのは周知の事実だと思いますが、骨の健康を「最適」に保つための正確なビタミンD濃度はまだはっきりしていないようです。
また、ビタミンDレベルが骨塩密度に影響は与えますが、骨折した後の治癒におけるビタミンDの役割についても未だはっきりしていないみたいです。
ビタミンDレベルが高い状態では、骨の成長を促し骨折などのリスクの減少に繋がることは間違いなさそうですが、最適な量やメカニズムに関する部分はまだわからないことも多いようですね。
ビタミンDは骨だけではなく筋肉細胞の増殖や骨格筋の収縮にも影響を与えることも示唆されており、
ビタミンD欠乏症のアスリートがビタミンDを補給することで筋パフォーマンスの特定のパラメーターが改善することやビタミンDが不足しているアスリートはリハビリや回復が遅れることなどからビタミンDが筋肉量や筋力を向上させる可能性も示唆されています。
また、ビタミンDは気道感染症の発症も抑えるとされており、適切なビタミンDの摂取が気道感染症の予防に有効であることも示されていますが、これは肺の機能にもビタミンDが関わっていることを示しており(コロナ禍で注目されている要因の一つ?)、ビタミンDの不足は肺機能障害・喘息・慢性閉塞性肺疾患に関わっているとしていますが、VO2MAXなどアスリートの有酸素性能力の指標は肺機能に強く依存している為、肺機能の側面からみてもビタミンDの不足は防ぎたいところです。
気道感染症の予防に効果的ということですが、ビタミンDは炎症性サイトカインの産生を減少させることも示されており、これにより一般的な風邪やインフルエンザなどにかかる頻度を下げる働きも期待されています。
エリートレベルのアスリートでは呼吸器疾患の発生率が高いことからも、やはりアスリートにとってビタミンDの不足は避けたいところですね。
さらに、ビタミンDは心血管系との関わりもあり、ビタミンDの血清レベルが低いと病的な心筋肥大・血圧上昇などを引き起こす可能性があり心筋の機能に悪影響があれば、筋肉への酸素や栄養の供給にも影響を与え、当然心肺機能にも関わってくることからこの点においても運動パフォーマンスに深い関与があると言えます。
また、重度のビタミンD欠乏は最初にも書いた通り動脈硬化も促進します。
以上のことから、ビタミンDは骨・筋肉組織・心肺機能・心血管系において幅広く関与しているためアスリートにとっても不足・欠乏は避けたい栄養素と言えます。
まとめ
今回、ビタミンDについて自分の勉強も兼ねてまとめてみましたが、・一般の人、アスリート問わず多くの人が不足・欠乏している事実を知ること
・住んでいる地域やライフスタイルによって摂取・生成方法や量を変える必要があることに気をつける
・最適な量などわからないこともまだ多いが、不足にならない量の摂取・生成を心がける
・アスリートの場合は、周りに比べて風邪にかかりやすい・回復が遅いなどのビタミンD不足から起こり得る兆候に思い当たる節があれば改善する
といったことが重要かと思われます。
しかし、気をつけなければいけない点として何か一つの栄養素に焦点を当てるだけでは、木を見て森を見ずみたいな感じで振り回されて結局何の解決にもならないことが考えられます。
何事も総合的に考え、バランスを重視していく必要がありますよね。
当然、一般の人もアスリートもビタミンDだけ摂れていれば健康的でいられるわけではありませんし、パフォーマンスが向上するわけでもありません。
ビタミンDはそうなるための一つの栄養素にすぎません。
そのへんに注意して、正しくビタミンDを摂っていきましょう。
そして、食事や栄養に関してはやはり管理栄養士などのその道のプロに頼るのがいいかと思います。
《参考資料》
Role of Vitamin D in Athletes and Their Performance : Current Concepts and New Trends
健康増進におけるビタミンDの役割とその必要量
ビタミンD不足・欠乏の判定指針
最後に...
ただでさえ、ビタミンDが不足しがちなうえに長期にわたる外出自粛も相まってさらなるビタミンDの不足やそれに伴うストレスが蓄積していくことも容易に想像できます。ビタミンDの不足が原因かはわかりかねますが、当ジムに通ってくださる方の中にも最近ストレスが溜まっていると教えてくださる方も複数いらっしゃいます。
話を聞くと、やはり外にでる頻度が少なかったり人と会う機会や話す機会がすくないことなどがあるようです。
リモートワークで通勤しないでいいことや感染のリスクの減少など良いこともありますが、当然デメリットもあります。
ストレスを溜めないように安全な範囲で外に出て日光に当たってみるのもいいのではないでしょうか。
しかし、この時期はまたやっかいなもので花粉症の対策もしなきゃいけないんですよね....
ビタミンDは花粉症などのアレルギーに対しての効果も期待されているようですが....どうなんでしょうか。
カテゴリ:
(SHONAN TRAINING DEPT.) 2021年2月25日 08:56
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